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「甘神神社例大祭2025」イベントレポート

2025年5月18日(日)、江戸川区総合文化センター大ホールで『甘神さんちの縁結び』のスペシャルイベント「甘神神社例大祭 2025」が開催されました。鈴木崚汰さん(上終瓜生役)、上坂すみれさん(甘神夜重役)、本渡楓さん(甘神夕奈役)、若山詩音さん(甘神朝姫役)、安済知佳さん(鶴山白日役)が出演し、アニメの振り返りトーク、ゲーム企画、ライブパフォーマンスで会場を大いに盛り上げました。

最終話から2ヶ月が経過したにもかかわらず多くのファンが駆けつけた会場。ファンの熱量は高く、ステージに上がった5人を盛大な拍手で迎えました。そんな5人がイベントで揃うのは意外にも初めて。早速、気ままなトークを繰り広げ、その仲の良さを見せてくれました。

最初のコーナー「振り返りコーナー Part1」では、5人がクロストークを展開。「Part1」は第1話から第20話までの人気シーンをファン投票によるランキング形式で振り返っていきます。

第3位として紹介されたのは、第1話「奇跡のはじまり」より“星つぶの叶い雨”のシーン。瓜生と三姉妹の物語の始まりであるとともに、美麗な映像が原作ファンを唸らせたシーンということで、これにはキャストも納得の表情です。鈴木さんは「瓜生は人のために動くことができる、ということが紹介された第1話でした」、上坂さんは「『甘神さん』の2クールの成功を確信するほどの素晴らしいシーンでした」と話しました。

第2位は第13話より、澪子時代の夜重が「くたばれクソババア~!」と本音を爆発させるシーン。上坂さんは「本能で叫んでいました。だから幼い頃の夜重の声がキープできているか怪しかったんですけど、映像を見たら夜重の心情がピッタリあらわれた表現になっていてよかったです」と満足げな笑顔を見せました。

同率第2位は第20話の「とりかへばや物語」で瓜生が夕奈に「頑張れよ!」と言ったシーン。鈴木さんは「ようやく夕奈の本音みたいなものが瓜生にも伝わりました。これからどういう道に進むのかはわかりませんが、夕奈にとって必要な流れだったんじゃないかなと思います」と述べます。また、このシーンの直前、瓜生と夕奈が入れ替わってしまった際の収録について話が盛り上がると、本渡さんは自らの癖を読み取って演技に反映していた鈴木さんを絶賛。その反面、本渡さんは負けじと鈴木さんの瓜生を表現するべく、鈴木さんに一度セリフを読んでもらったという並々ならぬこだわりも明かされました。

気になる第1位は、第16話より「朝姫の告白」。朝姫にとって重要なシーンだけに、若山さんは「めちゃくちゃテイクを重ねた覚えがあります」と語り、「恥ずかしさと大胆さの気持ちの割合みたいなものをスタッフさんとどうするのかディスカッションしながら、『もうちょっと恥ずかしさを入れて、一歩踏み出した感じにしましょう』みたいに色々なパターンを録りました」と回想。シーンが映し出され、朝姫の大胆な行動にキャストが興奮した様子を見せると、若山さんは「朝姫はお姉ちゃんふたりが魅力的すぎると思っているからこそ、瓜生さんに振り向いてもらえないだろうという気持ちがあって。だから大胆な行動に出て、”耳はむ”とかに繋がるんですよね」と丁寧に解説し、改めて朝姫というキャラクターの奥深さを伝えました。

ちなみに、番外編として紹介されたのは第1話より「瓜生と三姉妹の出会い」。三姉妹のお着替えシーンということで、このチョイスに笑いが起こりますが、安済さんが入念な下着の描き込みに「そこに気合いを入れるんだって思った(笑)」と言及すると、女性陣はまさかの下着トークで大盛り上がり。蚊帳の外になってしまった鈴木さんと司会の青木佑磨さんは、男性物の下着トークで対抗するという意外な展開を見せました。

イベントではキャスト陣が絆をさらに強く結ぶため、様々なゲームに挑戦しました。最初の企画「あとつぎゲーム」は、お題から連想した言葉をどんどん継ぎ足していき、最終的に10個の言葉を繋げられたら成功。お題から言葉を連想するのみならず、記憶力も試されるだけに不安げな5人ですが、「甘神神社にお願いしたいこと」というテーマに対して、鈴木さんは「楽に減量」、上坂さんは「富」、本渡さんは「幸せ」、若山さんは「健康」、安済さんは「身体健全」と前半は順調に回答していきます。

しかし、折り返しに差し掛かると流石に思い出すことが難しくなり、若山さんは必死なあまり「ヘルシーな食事」という珍回答。その後もキャスト陣は大苦戦ですが、互いにヒントを出し合ってなんとかアンカーの鈴木さんにバトンを繋ぎます。プレッシャーがかかる場面ですが、鈴木さんは「楽に減量・富・幸せ・健康・身体健全・開運招福・ヘルシーな食事・辛いと思えるものを食べたい・名声・この世のすべてを手に入れる」と言い切り、見事クリア! キャスト陣の見事な記憶力に大きな拍手が寄せられました。

本編に欠かせない瓜生のツッコミにちなんだ「瓜生くんのツッコミクイズ」では、鈴木さん以外の4人が瓜生のセリフを聞いて、その後に続くツッコミを当てていきます。第1話の「星つぶの叶い雨だ!!」に対する「なんだ、その(正解:甘ったるいタイトルは)」をはじめ、「自分が生贄になって瓜生さんと籍を入れるのが一番なのだそうで…」からの「俺は神話に出てくる(正解:妖怪か!)」といった問題が繰り出されますが、4人は瓜生の性格を紐解きながら正解を導き出し、見事全問クリアを達成しました。

白日の世界線改変にちなんだ「白日さんちの間違い探し」では、スクリーンに表示される「正しい画像」と「安済さんが手を加えた世界線の画像」を見比べて“間違い”を探していきます。問題を作った安済さん曰く、難易度は低めとのことですが、スクリーンに映し出されたのはBBQを楽しむキャラクターたちのカット。大勢が描かれているだけに、問題に挑む4人は頭を抱えていましたが、観客お構いなしにステージ前面のモニターにかじりつくと、続々と細かな間違いを発見し、こちらもゲームクリアとなりました。

ここまで順調にクリアを重ねた5人が最後に挑戦するのは「三姉妹のボイスかくれんぼ」。不気味な声にチェンジした上坂さん、本渡さん、若山さんは姿を隠し、鈴木さんと安済さんは3人との会話をもとに“誰が誰なのか”を当てるゲームです。安済さんは「健康を願っていますか?」「私とふたりっきりで飲みに行ったことはありますか?」といったピンポイントな質問で誰が誰なのか絞っていきます。しかし、三姉妹側が嘘を付くという思わぬ裏切りもあってふたりは大混乱。古のネットミームを披露した上坂さんを鈴木さんがすぐに見抜いたものの、最後の最後、本渡さんと若山さんを逆に答えてしまい、残念ながら不正解。惜しくも全成功とはなりませんでしたが、5人の健闘に客席から大きな拍手が贈られました。

ライブパートに向けて上坂さん、本渡さん、若山さんが一旦ステージを後にしたところで、鈴木さんと安済さんは「振り返りコーナー Part2」で物語後半の人気シーンについて語り合います。

第24話より、元の世界に戻った瓜生が三姉妹と再会し、嬉しさと興奮のあまり涙と鼻血を流すシーンが映し出されると、鈴木さんは倒れ込む瓜生が「夜重、夕奈、朝姫」と言っていたことを紹介。演じるにあたっては「白日には申し訳ないですけど、三姉妹との世界線を望む瓜生がもしかしたら元の世界線に戻れない世界線もあったかもしれません。そうなると、もう三姉妹と会えなかったわけですから、そういった意味でも喜びと感謝を込めて演じました」と話しました。

同じく第24話より選ばれたのは、白日が元の世界に戻ることを決心し、「またね、瓜生」と涙するシーン。安済さんの熱演がファンの心を打った名シーンだけに、一同、納得のチョイスです。安済さんは「音響監督さんに泣かないよう言われていて」「どうしても涙声になってしまったんですけど、そこはグッと我慢しました」と収録秘話を明かすとともに、第24話は涙が止まらないシーンばかりだと熱弁しました。

一方、鈴木さんは「じゃあ、またな」と返した瓜生について「普通に返答していましたけど、あいつはいつもの関係に戻れると思っているんですよね……それがよくない(笑)」と、事の真意に気付ききれていない様子に呆れ気味。安済さんも「なんで好きになっちゃうかな~!(笑)」と白日の運命に同情しますが、「でも、そこで変にたぶらかすような人じゃないから好きになったんでしょうね」と瓜生の誠実さは高く評価していました。

また物語後半、世界線を維持するためにどこか怖い人物にも見えた白日。安済さんは、白日は必死だっただけで、むしろ突如として現れた三姉妹に瓜生を奪われてしまう可愛そうな女の子だとフォロー。しかし、「どうもすいません...ボクの彼氏がお邪魔してしまって...」のシーンはアニメによる渾身の演出によって想像以上に怖い表現になっていて驚いたと苦笑いしました。

改めて白日について問われた鈴木さんは「ぶっちぎりで可愛いです」と即答。それとともに「賢くて献身的でしょ。瓜生は一緒に施設で過ごした過去があるというのに、そんな子を野放しにするなんて!」と、全世界の白日ファンの気持ちを代弁してくれました。

アニメにまつわるトークはここまで。お待ちかねのライブパートでは、巫女衣装に身を包んだ上坂さん、本渡さん、若山さんが登場し、早速、2ndクールオープニングテーマ「Pray Pray Pray」を披露。舞のような振り付けと清らかな歌声で観客を魅了すると、会場は瞬時に緑・赤・青のペンライトで彩られました。

MCでは相変わらずの仲の良さを見せつつ、今回、これまでにはなかった振りを披露できたことが嬉しいと語り合う3人。改めて「ANIMAXMUSIX 2024 FALL」以来のステージに気合い充分な様子を見せると、キャラクターソングミニアルバムより「夢見る日和」「桜のかくしごと」を歌い上げました。

再びMCでは、初披露の曲が続きながらもペンライトや歓声で一緒にライブを盛り上げた観客に向け、上坂さんは「初ライブとは思えないみなさんの統率がすごい!」と感謝。本渡さんは「またどこかで歌う機会があれば、みんな踊れるのでは?」と問いかけ、若山さんは「絶対いけるよ!」と確信していました。

最後は1stクールエンディングテーマ「君に恋を結んで」。オールスタンディングの客席に向け、三姉妹に負けない元気いっぱいなパフォーマンスを振りまくと、最後は仲良くポーズを決め、最高の笑顔で「ありがとうございました!」とライブを締めくくりました。

ライブを見守っていた鈴木さんと安済さんがステージに戻り、感想を語ったところでエンディングの挨拶。安済さんは「本日はこのようなイベントに参加することができてとても嬉しかったです。やっぱり白日については最後まで見てもらわないと喋れることが少ないんですよね。そんな中、今回はこうして全部見てもらった上で、みなさんと最高の時間を過ごすことができました」とコメント。

若山さんは「『甘神さんちの縁結び』は私も大好きな作品なので、これからも原作やアニメの輪を広げていけたらいいなと思っています。そのためにも、みなさんのお力をこれからもお借りできたら幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いします」と呼びかけました。

本渡さんは「オーディションの時から夕奈のことを尊敬していました。すごくかっこよくて、私もこうなりたいなと思っちゃうくらい。そこからご縁があり、声を担当させていただいて。アフレコの期間を含めて約半年間、本当に楽しい時間を過ごせました」と振り返り。そして、「いや~、この先も見たいよね。言うのはタダだから言いますね、第2期やりたいなー!」と言うと、客席から賛同の拍手が寄せられました。

上坂さんは「放送が終わって少し時間が経ちましたけど、こうして5人が集まり、みなさんが来てくださるのは作品が愛されている証拠なので嬉しく思います」と喜びをあらわにすると、「ライブでは甘神三姉妹としてみなさんに4曲も披露できましたし、なにより、みなさんが一億%の熱量で盛り上がってくれて。『甘神さん』にはほかにもキャラソンがあるので、いつかキャラソンライブとかいいよな~って思いました。そうしたらこのふたり(鈴木さん・安済さん)も歌ってくれるので(笑)」と冗談交じりに願望を口にしました。

鈴木さんは「最初、瓜生役として発表されたタイミングで『夜重も夕奈も朝姫も全員幸せにします』とポストしました。また続きがあるのか、まだわかりませんが、今回の24話ではまだ三姉妹を幸せにし足りない! そんな想いでアフレコをしていたので、僕もみなさんと同じことを願っています」と“甘神さん愛”を爆発。

さらに、「今日、作品が終わってもこうしてみなさんに集まっていただいたことで、また縁ができました。その嬉しさを噛み締めながら帰りたいなと思っています。これからも、展覧会であったり、原作も続いていますので、引き続き『甘神さんちの縁結び』の応援をよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました!」とメッセージを残してイベントの幕を下ろしました。

レポート・撮影:MoA